『お盆』
各地の風習もざまざまで、迷ってしまう方も多いかもしれませんが、浄土真宗ではお盆に特別な荘厳はありません。お盆独特のお仏壇(お内仏)の荘厳がないということが浄土真宗の特色ともいえるでしょう。
そもそもお仏壇とは、先祖をおまつりするものではなく、阿弥陀如来様をご本尊として安置するところです。私たちは、阿弥陀様によって救われていくのであり、今は亡き方を救われたのも、他ならぬ阿弥陀様です。亡き方を偲ぶ中で、阿弥陀様のみ教えに出遇ったならば、亡き方が今生の命にかえて伝え残してくださったのは、私目身を救って下さる阿弥陀様のみ教えであると、いただくことが出来るのです。
そして、その教えに遇わせて下さった亡き方のご恩を思う。それが浄土真宗のお盆なのです。ですから、お盆だからといって、特別なものを用意する必要もなければ、お飾りの心配する必要もないのです。
「浄土真宗は楽でいいですね」とおっしゃる方もおられますが、とんでもない。他宗よりも大変です。いつでもどこでも仏となって、帰ってきて下さっているのですから、毎日がお盆といってもいいのです。